元楽天アメリカ責任者 小林史生氏 対談 vol.5 〜英語を身につけた先にあるもの〜

元楽天アメリカ責任者 小林氏対談i

語学力を身に付けたら、実際に海外の人と対等に交渉できるのでしょうか?

櫻井「リーダーやマネジメントする人は折衝をしていくのに大切なスキルの1つに、会話の中に割って入っていくカットインという方法があると考えています。」

小林「カットインですか、確かに私も会議では常に会話に入るタイミングを見計らっていました。
これは恩師から学んだのですが、私も、常に自分のValueを出すためにもどの会議でも発言しようと決めていたのです。それが頓珍漢な回答でも、発言することが重要だと思います。

櫻井「エンジニッシュではテレカンを想定しながらお互い喋っているところにどうカットインしていくかというカリキュラムも組んでいます。
日本語でさえ会議のカットインをすることは難しいのに、それを英語でどうやっていくのか。難易度はかなり高くなりますが、これができるようになれば現場での大きな即戦力になると思います。」

小林「『That’s great idea!!』とか言ってまずは相手のアイディアを受け止めることも大切ですね。いきなり『あなたのAという意見ではなくてBだー!』という殴り込みをしないように気をつけるのも大切ですね。
あとこれもあるあるだとは思いますが、何かに謝る時に『I’m sorry.』というのも危険です。自分の否を認めてしまうことになりますから。
『時間に連絡を取れなかったことに関して、ごめんなさい』とか謝罪の範囲を限定的にすることもテクニックの1つですね。」

櫻井「確かにそうですね。エンジニッシュの上級編には高度なフレーズの使い方も教える予定です。
『この部分に関しては私のミスです、ごめんなさい。でもこの部分はそちらの責任ですよね。』とミスの範囲を明確にした伝え方も覚えて欲しいですね。小林さんが先程話された『I understand.』『I agree.』の違いも同じように、単語1つで大きく意味が変わってしまうことがあるというは、折衝をする中で重要なポイントになってくると思います。」

どのレベルまで到達したらエンジニアの現場で使えるようになりますか?

小林「これは米国での話になりますが、私が良く日本からくる人に言ってたのは、『半年後に、英語で会議のファシリテーションができるようになっているというのがベンチマークとしてよいと思います。』です。これは実は結構難しいのですが、相手の言っていることを理解する、自分の持っていきたい方向を常に考える、そしてそれを自分の英語で相手を納得してもらう、これはヒアリング、スピーキング、ファシリテーション力等、様々なスキルが必要です。
かなりハードルが高いと感じるかもしれませんが、実際の会議自体は自分のなじみのあるトピックでの会話が飛び交うので、事前に予習や自分なりのゲームプランを考えておくことができるので、その点は楽なはずです。」

櫻井「発音や単語を1つ1つ覚えていくことよりも、実践的な現場の想定に合わせた様々なシチュエーションに対応できるスキルを身に付けてもらいたいですね。」

リーダーやマネジメント以外でも英語を使う機会はありますか?

櫻井「ブリッジSEという考え方があります。
日本人のエンジニアと海外のエンジニアの間に立ってやり取りができる人材はかなり不足しています。
端的に言うと通訳となりますが、ITを知っている人で英語を喋れる人は必要とされていて、これから育てていく必要性を感じています。」

企業としても、エンジニアに英語教育を取り入れた方が良いのでしょうか?

櫻井「現在は、海外向け案件を受けている大手企業様からの依頼が多いです。
管理職がTOEIC700点以上と条件を設けている企業もありますが、実際に現場に即した教育を行えているかというと、多くの企業はそうではありません。
海外案件を受けていない企業が多い中で語学力があるエンジニアを育てていけば、営業先の広がりも桁違いになると思っています。
海外展開を視野に入れているのであれば、今のうちから育てていくフェーズに力を入れていくのも戦略の1つとしては良いのではないでしょうか。」

小林氏対談風景6

最後にお二人から一言ずつお願いいたします。

櫻井「繰り返しになってしまいますが、英語が身に付けば自分の活躍の場、さらには世界を広げることができます。探検できるダンジョンが広がる感覚ですね。
英語の文章が出てきたらブラウザを閉じてしまう、その時点で可能性も一緒に閉じてしまっているのです。
チャレンジする場所が広がっていくことで自分の可能性が増えていくし成長できると思うんです。そういう意味でも英語はぜひ身に付けて欲しいですね。
ITエンジニアという職業がもっと憧れの目で見られる、華形職業にしていきましょう!」

小林「英語を学ぶことでインプットする情報ソースが各段に広がります。やっぱり日本の記事だけだと限界がありますよね。僕とかもGoogleで何か調べるときは、内容によりますが結構英語で調べたりします。情報ソースが広がると、情報量は掛け算になると思うんです。色々な場所から情報が取れるようになりますよね。
また英語のレベルは最初から高いものを目指さなくても大丈夫だと思います。
エンジニアは共通の言語があり、馴染みのある英語のフレーズもあると思うので、完全に0から覚える訳ではないはずです。
英語を身につけて、より活躍できるようになるのが1番大きいのではないでしょうか。
これから未来を担うみなさんにはぜひ頑張っていただきたいと思います。」

お2人とも、本日はありがとうございました!

今エンジニアの仕事は多数ある中で、今後の将来に迷っている方は数多くいるのではないでしょうか。1つの技術を深掘りしていくか、マネージャーになるかという2択を良く聞きます。
自分の幅を広げるために海外に飛び出すもよし、ブリッジSEというポジションに就くもよし。
英語という新しい武器を手に入れて今までとは違う選択肢を選んでみてはいかがでしょうか。

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