元楽天アメリカ責任者 小林史生氏 対談 vol.3 〜教科書じゃ習わない英語〜

元楽天アメリカ責任者 小林氏対談i

英語に関して気をつけていた点はありますか?

小林「そうですね、教科書じゃ習わない英語って結構あります。
英語あるあるかもしれませんが、
『I understand.(理解します)』/『I agree.(同意します)』
この2つは決定的に違うんです。

例えば私は大掛かりなリストラをしなければなりませんでしたが、リストラを通達した時は同意のサインをしてもらうことがゴールでした。
『私頑張っていたよね』『こんな業績をあげたじゃないか』との声に私は決して『I agree.』とは言いませんでした。
『I understand.I understand.(そうだね、君は頑張っていたよ)』
同意してしまってはサインは得られません。
小さな言葉に思われるかもしれませんが、交渉の場では単語1つ間違うと大変なことになります。
他にも単語1つの重要さを感じたことは多くあります。

例えば『But(しかし〜)』の単語は使わないようにしました。
上手いスピーチをよく聞くと、Butを使っていないんですよね。
必ず『And(そして〜)』を使っているんです。

『A良いよね、でもBのが良いよ』ではなくて
『A良いね。加えてBもやった方が良いよ。』と言う。

いかにBが良いかをButを使わずにどういうかが考えどころです。
Butと言った瞬間に相手が意見を否定されたと感じますから、高度なテクニックですね。」

櫻井「相手を否定せず受け入れる考え方は、日本でもどんどん使うべきですね。」

小林「本当にそうだと思います。まずは受け入れる、相手を認めることが大切なんだと思います。
私も日本で意識していて、まずは『それ良いアイディアですね』と1回受け入れるようにしています。実はそう言いながら頭では、どうやってBの意見に持っていこうかななんて考えているんですけどね(笑)」

櫻井「さっき小林さんが質問を受けた時に『良い質問ですね』と答えていたのにはそういう意図があったんですね!」

小林「そうなんですよ。バレてしまいましたね。
というのも1つの質問を取っても、必ず何かしらの回答を返すように心がけているからです。
立場的な問題もありましたが、必ず質問には答えるという小さな積み重ねがやがて信頼になっていくと思っています。」

英語1つの重要性、勉強になります。
ここまで語学力を上達させるためにどんなことをしたのですか?

小林「まずは英語に触れ合う時間を増やしました。
最初の頃は英語力ありませんでしたが毎日仕事が遅く、朝の8時から深夜2時まで仕事をしていたので、常に英語に触れ合っていたおかげで、さすがに身に付いていきましたね。
なによりも大切なのは発音でなくて内容を理解して伝えられているかという点です。発音は全然気にしなくて良いと思いますよ。
もちろんカンファレンスや大勢の前でスピーチする役職の人は別です。当然、英語のスピーチのエレガントとかは教養の一部として重要です。でもそこまで必要な人はあまりいないと思うので、むしろ発音は気にしないで問題ないです。

櫻井「日本人ってどうしても、英語を完璧に喋らなければいけないと思い込んでしまいますが、私達が日本語で話している日常なんて常に完璧な文法で話していないし、かなりぐだぐだな会話が多いですよね。」

小林「まさにその通りで、ネイティブの会話もよく聞くと実は文法を間違えていることもあるんですよ。
発音や文法を気にするよりも、積極的にがんがん喋ってコミュニケーションを取ることの方が重要だと思います。
それに日本人と英語を使ってコミュニケーションを取っている人は、日本人の英語を聞き取りやすくなってくれるようです。
社内のコミュニケーションは問題ないのに、たまに地方に行くとアジア人の英語を聞いたことがない現地の人には私の英語が通じなくて、アメリカ人の同僚に英語を英語に通訳してもらうなんてこともありました(笑) そんなものです。
エンジニアの場合はITという共通言語がある大きな強みもありますし、もっと気軽に怖がらずに、どんどんコミュニケーションを取っていって欲しいですね。」

 

小林氏対談風景4
 
対談 vol.4 〜ITエンジニアが英語を身につけるべき理由〜

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