元楽天アメリカ責任者 小林史生氏 対談 vol.1 〜英語を武器に、新たな世界へ一歩踏み出す〜

元楽天アメリカ責任者 小林氏対談i

【対談者プロフィール】

小林 史生氏(※以下:小林)

2000年 楽天株式会社に入社。
楽天株式会社に営業として入社し、グルメ関連事業の責任者を歴任。その後国際部に移動し、楽天の急激な国際化の一役を担う。2008年から買収した米国企業2社の立て直しのため、ニューヨーク・カリフォルニアに計8年間駐在。2社目では現地のEC会社の社長として陣頭指揮を執る。
帰国後自身でコンサルティング会社を設立し、日本のベンチャー企業ならびに、海外企業の日本参入、また日本企業が海外進出する際のコンサルティングを行っている。

 

櫻井 俊輔氏(※以下:櫻井)

小学6年生よりパソコンに触れ、IT歴30年以上。IT教育歴15年以上の実績を持つ、IT人材育成の専門家。
システムエンジニア、IT系専門学校教員を経て、ITコンサルティング✕教育という視点でプロジェクトの支援や教育の支援に従事。35以上のプロジェクトに参画し、コンサルタントとして、製造業・卸売業からサービス業まで多種多様な業種100社以上の企業に所属する人材と密に接したことが、現在の教育手法の礎となる。
技術・スキルだけを身につけさせるのではなく、人としての内面も成長させることができる『学びの場』を提供することを目指し、2017年1月 株式会社次世代人材アカデミーを設立。2017年5月より、ITエンジニアに特化した英語教育事業 enginish(エンジニッシュ)をスタートさせる。

 

英語を武器に、新たな世界へ一歩踏み出す

米国にて8年間、現地2社の法人の立て直しを行ってきた小林氏。
時にはリストラを断行したこともあり、日本人が海外でビジネスをするということを肌で体験してきた経験を持つ。

また、エンジニア業界の現状に憂いを感じ、「英語」という1つの武器を手にして、新しいステージに一歩踏み出して欲しいという想いを持つ櫻井氏。

「英語」というキーワードを元に、グローバルな視点でビジネスと成長について語っていただきました。

アメリカに行くと決まった時はどう思われましたか?

小林「楽天は今では誰もが知る有名企業ですが、当時私が入社したころは数100名規模の、まだまだ発展途上の会社でした。私の社員番号は128でしたね。

楽天は変化が激しく人事異動も頻繁にありますので、アメリカ行きが決まったときも、 “またか”という感じでした。行き先が国内の地方なのか海外のアメリカなのか、という違いだったかと思います。強いて言えば当時ヨーロッパ現地に会社を設立していたので、将来自分はヨーロッパに行くのかなと考えていた中でのアメリカ行きでしたので、そこに驚いたという感覚でしょうか。」

驚きはありつつも大きな戸惑いはなく、アメリカ行きを受け入れた小林さん。
しかしその中でも当然、わくわく感と不安は入り混じってたと言います。

小林「当時私は、ビジネスで英語が通用するほどの語学力は持っていませんでした。大学時代に1年休学し海外を放浪した時や、楽天入社前の会社で多少英語に触れる機会はありましたが、そのレベルではビジネスに通用するとは思えませんでした。しかも英語ネイティブとの会話は心理的にも厳しいということを経験から知っていましたので、やはり不安もありましたね。」

不安もありつつのアメリカ行きでしたが、1社目の会社に入ったときはどのような状況だったのでしょうか?

小林「業務内容としてはアメリカの方が経営していた会社を買収して、会社の中に入り立て直しをするというものでした。
当初は私の上司が社長として先に入り、私がその実行部隊として、2名で乗り込んだ形でした。米国人の、特にニューヨークの人の英語って早いんです。しかも仕事だと容赦なし(笑)
なので中々コミュニケーションもうまく取れないですし、『日本の会社から送られてきた日本人』ですから、完全にゲスト扱いです。
優しくはしてくれるけど、ビジネスとして彼らの中を変えようとしても中に入れてくれない、そんな状況からのスタートでした。」

小林氏対談風景1

言わば『よそ者』扱いをどのようにひっくり返したのでしょうか?

小林「コツとしては、まず最初に自分の力を見せつけることが重要だと思います。
何でもいいんです。例えばExcelでちょっとした関数を使って業務改善してあげたり、PowerPointでプレゼンや営業資料の情報を整理整頓してみせる。
少なくとも私はこの辺りは比較的得意だったのと、英語力はそんなに必要とされない領域で、現地の方の仕事を楽にするための改善をどんどん行いました。
アメリカ人は効率性を非常に大切にする文化がありますから、Excelや数字に強いだけでも『この人はすごい!』という認識をしてくれるんですね。
これは好きなところですが、アメリカ人はいいことは素直に認めてくれて、リスペクトしてくれるので重宝がられるようになっていきました。
語学力がなくても、1つ得意な事があればそれをカバーをすることは可能なのだと感じました。」

語学力は、得意分野でカバーできる。とても心強いお言葉ですね。
その他にゲスト扱いを覆す秘訣はあるのでしょうか。

小林「そうですね、あと重要なのは最初の3ヶ月で成果を出すことです。3カ月っていわゆる“ハネムーン期間”が終わるので、その後はゲスト扱いもされません。なのでそれまでに、結果を出すことが必要なんです。具体的には、様々な活動で個々人の成果が上がるようになる、会社の業績に回復の兆しを見せることが重要だと思います。」

小林さんは、3ヶ月でどのような成果を出したのでしょうか?

小林「私の場合はオペレーション改善をメインでやりました。具体的には一人当たりの生産性を向上させるということです。
色々やりましたが、例えば全社的な大幅な会議の効率は一つの例です。会議の時間・人数・頻度を半分にしたら8分の1になりますよね。ただし、アジェンダをしっかり決めてアウトプットはむしろ高める。米国人は無駄が嫌いなのでこの辺りは、とても喜んでくれました。
成果を出し認められるようになると、次第に仲間感は出るようになりましたね。特に私が業務で関わっているの部署の責任者から変化が見られるようになりました。

『Fumioあれどうすればよいの?』という相談事もしてくれるようになり、大きく流れが変わっていきましたね。

またアメリカは個々人の関係を大切にする文化がありましたので、プライベートで一緒にご飯を食べたり家族付き合いをするようになります。私も休日にBBQに誘ってもらうこともありました。」

 
対談 vol.2 〜ビジネスをする上で注意すべきアメリカ人と日本人の違い〜

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